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LANケーブルによる転送速度の変化について

2003.12.03


概要

100Mbps以上の通信速度に対応し、一般的に販売されているLANケーブルはカテゴリー5,5e,6,ストレート,クロス,UTP,STP等、かなりの種類が存在します。
形や太さも様々で、特にバッファローでは 「きしめんケーブル」 という愛称で販売されているフラット型のケーブルはノイズ耐性が悪そうな気もします。

そこでこれらケーブルの種類によって転送速度に違いが出るのかを検討してみました。
前回はストップウォッチを使用して測定しましたが、それなりの誤差が出てしまったため、今回はNetperfを使っての測定です。




用意したケーブル

1.ストレートケーブル(カテゴリー5e対応,UTP,ストレート,5m)

エレコム製(違うかも)。
普通のカテゴリー5e規格のストレートケーブル。

2.フラットケーブル(テゴリー5e準拠,UTP,ストレート,5m)

\250で購入。梱包などされていない、ケーブルのみのジャンクです。
平べったいので引き回しが楽という、利便性を前に出したキャッチフレーズで売られていることが多いので、 スペック面的にはどうなのか、気になるところです。
バッファローでは 「きしめんケーブル」 という愛称で販売されています(関連記事)。
フラットな上にジャンキーなケーブルなので、ある意味期待してしまいます。

3.STPケーブル(カテゴリー5e対応,STP,ストレート,5m)

MCO
STP規格のクロスケーブル。
STPとは『Shielded Twisted Pair』の略で、アルミ箔によってシールドすることによりノイズ耐性が高いとされていますが、 接地(アース)の必要があります。しかし少なくとも我が家ではPCにアースはとらないので、今回は接地無しで計測しました。

4.クロスケーブル(カテゴリー5e対応,UTP,クロス,5m)

MCO
普通のカテゴリー5e規格のクロスケーブル。ストレートケーブルとは結線が違うため、Auto-MIDI/X機能のある機器/NICでないと使用できません。
通常はAuto-MIDI/X機能の無い2つのNICを接続するのに使用します。

5.カテゴリー6のケーブル(カテゴリー6,UTP,ストレート,5m)

エレコム製。
普通のカテゴリー6規格のストレートケーブルです。Cat.5eのケーブルと比較して硬いために曲げにくく、取り回しに苦労します。
Cat.5eと6の違いは周波数帯域で、5eが100MHzに対し6では250Mhzを保証するものとなっています。



100Base-TX環境下での転送速測定結果測定方法はこちら



測定環境/方法
ローカルPCMain PC (Pro/1000 MT)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
Netperfオプション「-H」のみ
※「Netperf -H」で10回測定を行いその平均転送速度をグラフに示した。


1000Base-T環境下での転送速測定結果測定方法はこちら



測定環境/方法
ローカルPCMain PC (Pro/1000 MT)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態2台のPCを直結
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
Netperfオプション「-H」のみ
※「Netperf -H」で10回測定を行いその平均転送速度をグラフに示した。


総合評価

微妙な速度差はあるものの、今回使用したどのケーブルも同等の速度が出ました。正直なところ、ジャンク屋で購入した激安フラットケーブルもでも同等の速度で 通信できたのには驚きました。
1000Base-T環境でCat.6のケーブルの値が低いのは、何故か1000Base-Tでのリンク確立がうまくいかず、ネゴシエーションの設定を変えても100Base-TXにしかならなかったためです。 これについては別のCat.6ケーブルを購入して再確認しようと思います。

結論として、少なくとも個人用途としてのLANケーブルは、スピーカーケーブルと違って安物でも問題無さそうです。 パッケージの謳い文句にだまされず、自分の用途にあった形状のものを選びましょう。