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BUFFALO LSW-GT-5Wレビュー


2004.04.15 (最終更新:2004.04.28)

スイッチングハブ「LSW-GT-5W」全景
メーカー BUFFALO
製品名 LSW-GT-5W
購入価格 \6800(2004年1月)
ポート数 5
採用チップ F3:FSG5
Jumbo Frame対応 ○(9000まで)
Buffer Memory 92Kbyte
電源 ACアダプタ
放熱ファン 無し
消費電力 10.3W (Max)


\4500〜\6500という低価格帯にもかかわらず、9000byteまでのジャンボフレーム(Jumbo Frame)に対応しているバッファロー製ギガビットハブ。
最近ではヨドバジカメラ等の大手家電量販店でも見かけるようになりました。
バッファロー製のネットワーク関連製品といえば大抵「これでもか」とばかりに規格上の転送速度が大きく箱に印刷されているものなのですが、 何故かこの製品はパッケージが簡素な茶色い箱にシールのみという、極めて質素な状態で販売されています。

取説を見る限り、この製品は同社製LSW-GT-8Cの 5ポート版のようです。
バッファローでの正式な製品案内はありませんが、同梱の取扱説明書には“LSW-GT-5W/8C”と書いてありましたので、生産はしたものの、何らかの理由で発売がボツになり、 このような形で放出されたと考えられます。

付属のACアダプタは電源コードに挟まれる形になっているので、隣のコンセント穴の邪魔になることは無さそうです。アダプタ自体も小型で邪魔にならず、好感が持てます。

ケースを開けた状態
上蓋を開けた状態
基板裏面
基板裏面のクッション

なお、筐体内部底面との絶縁(アース)として、基板裏面に導電テープで巻いたクッションが3個貼り付けてありました。



・フロント部

フロント写真
ポートにLEDは無く、左側にステータス確認用LEDが集中しています。

ネットワークコントローラーチップ ・コントローラーチップ

F3製 “FSG5
5ポート用のスイッチコントローラーで、パッケージは208-pin PQFPです。
Buffer Memoryとして768Kbits (96Kbyte)を内蔵しています。

これの8ポート対応版として“FGS8”もラインナップされていて、 LSW-GT-8Cにはこの“FGS8”が 搭載されていると思われます。

ヒートシンクが無いため発熱が気になるところですが、GbE通信時もほとんど発熱しませんでした(下記グラフ参照)。


PHYコントローラー
・トランシーバー

Marvell製“ 88E1111”。

パッケージは96-pin BCCで、サイズは9mm x 9mmと非常に小さくなっています。消費電力は0.75W。

Flash ROM ・Flash ROM

Winbond製 “W78LE51P”(pdf形式)

トランスフォーマー ・トランスフォーマー

Buthhand製“LA4E
RJ45ポート一体型です。4ポート型1個と1ポート型1個で計5ポートとなっています。



1000Base-T環境下でのファイル転送速度測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
Local PC
(NIC)
Main PC
(Pro/1000 MT)
Remote PC
(NIC)
2nd PC
(Pro/1000 MT)
MTU / RWIN1500 / 268640
9000 / 1648640
接続形態直結
接続速度1000Mbps
プロトコルTCP/IP
転送ファイル容量1.0GByte
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。




Netperfでの測定結果測定方法はこちら


Netperf測定結果グラフ
測定環境
Local PC
(NIC)
Main PC
(Pro/1000 MT)
Remote PC
(NIC)
2nd PC
(Pro/1000 MT)
MTU / RWIN1500 / 268640
9000 / 1648640
接続形態直結
接続速度1000Mbps
プロトコルTCP/IP
※測定PCそれぞれでnetserver.exeを起動し、測定を行った。測定は「netperf -H」コマンドによる。




データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定環境
室温23.8℃
接続速度1000Base-T
転送プロトコルTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

ジャンボフレームを有効にしたときのパフォーマンス変化について検討したところ、転送ではUploadのみではっきりと転送速度の向上が見られたのに対し、 Downloadでは逆に遅くなってしまうという不可解な結果になってしまいました。これは1ファイルの転送中に、速度が不安定だったのが原因として考えられます。

一方Netperfでの測定ではJmbo Frameによるパフォーマンスの向上がはっきりと確認できました。
しかしながら現時点での一般的なHDDの使用方法(即ちRAID等を用いない使用方法)ではHDD速度がボトルネックとなってしまうため、 どの程度この恩恵を受けられるかというと微妙なところです。

不安だったコントローラーチップの温度は、GbEリンク確立時でも45℃程度と思いのほか低く、1000Base-Tで接続してファイルを転送しても殆ど温度に変化はありませんでした。
トランシーバーも50℃弱とで、高負荷時もあまり発熱はみられませんでした。これならヒートシンクが無くても安心して使用することが出来そうです。

場所によっては\5000を切る価格で販売されていることを考えると、Jumbo Frame対応の製品としては極めてコストパフォーマンスに優れたGbE スイチングハブです。