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GREEN HOUSE GH-EL100BBレビュー


2003.09.08

LANカード「ETG-PCI」全景
メーカー GREEN HOUSE
製品名 GH-EL100BB
購入価格 \680(2003年9月:リテール)
採用チップ Broadcom:BCM4401KQL
WOL端子 ×
WOLケーブル付属 ×
AUTO-MDIX
LowProfile対応 ×
対応OS Windows98SE以降
LINUX


2003年9月にGREEN HOUSEより発売された、低価格10M/100Mbps対応LANカード。
最近の100Base対応NICはどのメーカーも挙って搭載チップをRealtek製RTL8139Dに変更し、個性も信頼性も無いような製品ばかりでした。
GREEN HOUSEもその例外ではなく、2002年1月にGH-EL100MX(搭載チップ:Macronix製“MX98715A”)を発売した後は GH-EL100RDGH-EL100RW(搭載チップ:Realtek製“RTL8139D”)を2002年の8月に発売したのみで、その後の ラインナップはありませんでした。
今回はこの流れを打ち破り、これまでオンボードでしか搭載された実績のないBroadcom製BCM4401 (MBオンボードとしてのBCM4401はBGAタイプしか見たことがありませんが)を搭載した製品を出してきました。

このGH-EL100BBですが、機能的には他の100Base対応NICとほぼ同様で、Auto MDI-X機能を搭載し、PCI Rev.2.2/2.1/2.0準拠のPCIバスで使用することができます。

ちょっと気になるのが供給電圧。箱には供給電圧が3.3Vとありますが、Webでは3.3V/5Vと表示してあります。 ただし、PCIカードのコネクタ形状はユニバーサル型となっているので、3.3V/5V対応と思われます。
また、カードの形状からしてLow Profileにも対応できるはずですが、ブラケットは付属していません。
消費電力に関する記述は箱にも取説にもありませんでした。
基板上には『Cableless WOL』というプリントや、オプションで取り付け可能と思われるBootROMのパターンが確認できます。



ネットワークコントローラーチップ

・コントローラーチップ

Broadcom製“BCM4401KQL”。
BroadcomのWebにも情報が掲載されておらず、詳細については不明です。
ドライバについても謎めいていて、同社サイトより BCM4401用ドライバver.3.60.0.0 (2002/05/15) がダウンロードできるものの、GREEN HOUSE提供のドライバは3.48.0.0 (2003/09/11)と、ドライバのバージョンと日付が逆転しています。
ドライバの設定項目を見る限り、IP Checksum機能は無いようです。

ドライバver.3.48.0.0での設定画面

・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは「LINK/ACT」の1個のみで、単色(赤)です。

・トランスフォーマー

メーカー不詳”FC-638”


フレッツスクエアでの速度測定

フレッツスクエアでの速度測定
測定環境
PCメインPC
接続形態ONU直結
MTU1454
RWIN260176
PPPoEフレッツ接続ツール1.5E
※対象NICで5回測定した直後にPro/100 Sで5回測を行い、それぞれの平均値をグラフに示した。





100Base-TX環境下でのファイル転送速度とCPU負荷測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (GH-EL100BB)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

GH-EL100BB
TCP/IP
(Broadcom:3.48.0.0)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷
GH-EL100BB
TCP/IP
(Broadcom:3.60.0.0)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷
P4PEオンボードBCM4401
TCP/IP
(Broadcom:3.60.0.0)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷





データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定条件
ケース内温度
(測定開始時)
26.4℃
ケース内温度
(測定終了時)
26.6℃
室温25.2℃
接続速度100Mbps
転送プロトコルTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

脱Realtek的な製品になるかと期待していましたが、CPU負荷はVIAやRealtek製コントローラーチップ搭載品よりはマシという程度のもので、 Intel 8255xシリーズや3comの3c905には及びません。P4PEのオンボードLAN(BCM4401)と同様の性能でした (併せてP4PEのオンボードLANのレビューも修正しました)。

値段的にはRealtekのRTL8139D搭載品よりも安いので魅力的ですが、Windows標準でドライバを持っていないことや、期待したほどCPU負荷が低くない ことを考えると、この製品を購入する意味はあまり無さそうです。