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GREEN HOUSE GH-ELG32Bレビュー


2003.09.22(最終更新:2003.09.29)

LANカード「GH-ELG32B」全景
メーカー GREEN HOUSE
製品名 GH-ELG32B
購入価格 \2979(2003年9月:リテール)
採用チップ Broadcom:BCM5705WKFB
Jumbo Frame ×
WOL端子 ×
WOLケーブル付属 ×
AUTO-MDIX
LowProfile対応 ×
対応OS Windows98〜XP
LINUX


GREENHOUSEより発売された、Broadcom製コントローラーチップ搭載の期待のGbE NIC(ギガビットLANカード)。 今まではオンボードでしか見かけることのなかったBCM5705を搭載しています。
もともとBCM570xシリーズコントローラーはそれなりに評価されているので、低価格GbEの本命になるのではないかと噂されていますが、 実際の性能はどうなのか、非常に楽しみです。

気になるのがコンデンサ等の配置(半田付け)で、非常に粗っぽく見えます。中には明らかに斜めに取り付けられているものもあり、この製品自体の不良率に響くのではないかと不安で仕方ありません。 荒い半田付け
↑粗い取り付けが気になります。
ところでこのカード、PCIカードのコネクタ形状はユニバーサル型となっていますが、箱・取説・Webのどれを見ても「動作電圧は3.3V」とが記載されています。 うっかり5Vしか対応していないPCIバスに挿した場合、動作しないだけでば済まないかもしれません。

なお、基板の形状的にLow Profileに対応しそうですが、ブラケットは同梱されていません。
付属のドライバはBroadcom製のもので、バージョンは少し古いものでした。
使用する際はBroadcomの最新ドライバをダウンロードすることを お勧めします。



ネットワークコントローラーチップ
・コントローラーチップ

Broadcom製の “BCM5705”。
0.13μmのCMOSプロセスで製造され、パッケージは196pinのHBGA。
BCM5702,BCM5703が16KBのキャッシュを持ったRISCコアを2つ内蔵しているのに対し、このBCM5705は24kbのキャシュを内装したRISCコアを1つだけ持っています。
また、データシートを見る限りではPacket bufferに関する記述はありませんでした。

また、他のBCM570xシリーズと同様にワンチップ型です。32bit,33MHzのPCIバスに対応し、PCI2.2に準拠しています。
機能面ではLOM,VLAN,Tx/Rx TCP/IPチェクサム,フロー制御,Large Sendをサポートします。

Broadcomの最新ドライバはこちら。

このチップのモバイル版として、“BCM5705M”があります。 こちらはチップの消費電力が900mWとのことです。

ブラケット部 ・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは2個。
「LINK」,「ACT」

トランスフォーマー ・トランスフォーマー

FPE製“F0044”

謎のプリント ・気になったこと

基板にプリントされた謎の文字。BootROMの設定でしょうか・・・・


フレッツスクエアでの速度測定

フレッツスクエアでの速度測定
測定環境
PCメインPC
接続形態ONU直結
MTU1454
RWIN260176
PPPoEフレッツ接続ツール1.5E
※対象NICで5回測定した直後にPro/100 Sで5回測を行い、それぞれの平均値をグラフに示した。





100Base-TX環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (GH-ELG32B)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

GH-ELG32B
TCP/IP
(Broadcom:6.64)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷





GbE環境下でのファイル転送について測定方法はこちら


GbEでのローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (GH-ELG32B)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態クロスケーブル直結
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/1000 MT
(PROSetII:8.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

GH-ELG32B
TCP/IP
(Broadcom:6.64)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷




データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定環境
100Base-TX1000Base-T
ケース内温度
(測定開始時)
25.3℃26.4℃
ケース内温度
(測定終了時)
25.4℃26.8℃
室温23.2℃23.2℃
接続速度100M1000M
転送プロトコルTCP/IPTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

1000Base-Tでの転送速度では劣るものの、それ以外ではPro/1000MTと同等か、それ以上の結果となりました。
パーツの実装が荒っぽかったり5Vの供給電圧に対応しているのか否か等、気になる点も多いですが、ようやく低価格GbE NICでも良いものが出てきたといった印象です。

他のコントローラーチップよりも消費電力化ができているためか、1000Base-T通信時のチップ表面の温度は非常に低く、63℃程度でした。これくらいの温度であれば安心して使えそうです。

Pro/1000MTのバルクが\4980程度ですので、GH-ELG32Bの\2980という価格は非常に魅力的です。もっと販売店が増えることを祈るばかりです。