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IBM Netfinity Fault Tolerance PCI Adapterレビュー


2004.02.09

LANカード「Netfinity Fault Tolerance PCI Adapter」全景
メーカー IBM
製品名 Netfinity Fault Tolerance PCI Adapter
購入価格 \980(2003年11月:無保証新品)
採用チップ AMD:AM79C971
WOL端子 ×
WOLケーブル付属 ×
AUTO-MDIX
LowProfile対応 ×
対応OS Windows全て
Novell NetWare 3.12 and 4.x
OS/2 Warp Server
SCO Open Server 5.0


IBMのサーバー向けパーツ(?)と思われる、AMD製“AM79C971”搭載NIC。
購入時の箱には“31L4180”とありましたが、正式な型番は“08L3341”のようです。

一見すると基板の作りは他のAM79C971チップ搭載NICとは異なります。
しかしよく見るとLEVEL ONE製のPHYコントローラーを搭載している点や64kbyteのFIFO Bufferメモリを搭載している点で一緒です。
ただ、コンデンサ等の細かな部品が安めのパーツで構成されているので、信頼性ではHP製AM79C971搭載NICのほうが高いと思われます。

Boot ROMやWOL端子は搭載していません。対応PCIバスは 32bit 33MHzまでとなります。



ネットワークコントローラーチップ

・コントローラーチップ

AMD製“AM79C971/Presidio 3” (pdf形式)。(ドキュメントその2(pdf形式))

160-pin PQFPパッケージで、PCI2.1に準拠し、5V,3.3V両方から電源供給が可能です。
また、外付けで128kbまでのSRAM FIFO Bufferを付けることが可能です。
その他機能も現行のコントローラーチップと同様のものが実装されています。
AMD製コントローラーチップは主にサーバー用途で使用され、高く評価されています。
国内主要メーカーではcoregaから、AM79C973搭載NICとして CG-FEWPCITXという製品が発売されています。


・PHYコントローラー

Level One製“LXT970QC
Level One社(http://www.level1.com/)は、1999年8月にIntelに買収されています。

・FIFO Buffer

ISSI製IS61C256”。
32kx8bitのSRAMです。
このNICでは2個搭載されているので、FIFOとして64kByteが搭載されていることになります。

・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは「ACT」,「LNK」,「100」の3個。

・トランスフォーマー

YCL Electronics製“20PMT05


フレッツスクエアでの速度測定

フレッツスクエアでの速度測定
測定環境
PCメインPC
接続形態ONU直結
MTU1454
RWIN260176
PPPoEフレッツ接続ツール1.5E
※対象NICで5回測定した直後にPro/100 Sで5回測を行い、それぞれの平均値をグラフに示した。





100Base-TX環境下でのファイル転送速度とCPU負荷測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (IBM Netfinity..)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.2)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

IBM Netfinity...
TCP/IP
(Win2000:4.8.0.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
IBM Netfinity...
TCP/IP
(AMD:4.9.0.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷





データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定条件
ケース内温度
(測定開始時)
26.4℃
ケース内温度
(測定終了時)
26.6℃
室温25.2℃
接続速度100Mbps
転送プロトコルTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。

総合評価

他のAM79C971チップ搭載NICと比べて負荷や速度面で劣ることはありせんでしたが、Pro/100 Sと比較すると高負荷でした。
サーバー用途のNICとして考えると、コントローラーチップには問題はありませんが、基板の造り・実装部品に安っぽさを感じます。
AMD製チップ搭載サーバーNICの中ではあまり信頼できない部類に入りそうです。