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日本レクトン J1000R-32レビュー


2003.02.03

LANカード「LJ1000R-32」全景
メーカー 日本レクトン
製品名 LJ1000R-32
購入価格 \3480(2003年1月:リテール)
採用チップ Realtek:RTL8169
WOL端子
WOLケーブル付属
ACPI対応
LowProfile対応 ×
対応OS Windows98〜XP
Unix系OS
MacOS 10.1.X


別名「ギガ蟹」と言われている我らが期待の星、Realtek製ギガビットLANカード(GbE NIC)が 日本レクトンから登場しました。
CPU負荷が高い,データが化ける,高負荷で落ちる等々、悪い噂(事実?)が絶えないRealtek製チップですが、今回はどのような挙動を 見せてくれるのか、非常に気になるところです。

この製品の最大の特徴はWindows / MacOSの両方に対応していることです。また、各種UNIX系OSにも対応し、 Realtek社よりドライバも配布されていますが、32bit 33/66MHzのPCIバスまでの対応となっています(RTL8169チップ自体は64bit-PCIをサポート)。

ところでこの製品、どこかのOEMなのか、GREENHOUSEから発売されている同RTL8169製GbEと同じように見えます。




ネットワークコントローラーチップ
・コントローラーチップ

Realtek製“RTL8169
チップ自体は64bit-PCIをサポートしていますので、そのうち64bitギガ蟹も出てくることでしょう。
パッケージは208-pin PQFP、PHYは内蔵していません。
BootROMのサポートもしています。PCI2.2に準拠しているのでLOMもサポート。

Reltek社提供のドライバはこちら。

PHYコントローラーチップ ・PHYコントローラー

Marvell Technology製“88E1000T”
詳細不明です。(snitchさん、情報ありがとうございました。)

BootROM ・BootRomソケット跡

パターンのみ確認できます。

BootROM ・WOL端子


・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは2個。
「ACT/LINK」,「100TX」

・トランスフォーマー

TAIMAG製“IH-002”(PDF形式)


フレッツスクエアでの速度測定
フレッツスクエアでの速度測定
測定環境
PCメインPC
接続形態ONU直結
MTU1454
RWIN260176
PPPoEフレッツ接続ツール1.5E
※対象NICで5回測定した直後にPro/100 Sで5回測を行い、それぞれの平均値をグラフに示した。




エクスプロラーでのローカル⇔リモート間ファイル転送測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (測定NIC)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro 100/S
(Intel:PROSET 6.4)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

FEther PCI-TXC+
(Realtek:5.505.1004)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

LJ1000R-32
(Realtek:1.00)
Download時CPU負荷 Upload時CPU負荷




続いて、100Base-TX環境下で といっても、まだ手持ちのGbE NICが2枚しかありませんので、ひとまずメインPCに「LJ1000R-32」を、セカンドPCに「Pro/1000 MT Desktop Adapter」を 挿し、これらをクロス/ストレートケーブル(5m)で直結してネットワークコンピュータへ1.0GByteのファイルを転送し、それに要した 時間から転送速度(Mbps)を求めました。

エクスプロラーでのローカル⇔リモート間ファイル転送(GbE)測定方法はこちら



測定環境
ローカルPCMain PC (LJ1000R-32)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態直結
接続速度1000Mbps / Full Duplex
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
クロスケーブル接続 Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

ストレートケーブル接続 Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

ストレートケーブル接続
(Offload LargeSend)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

ストレートケーブル接続
(Tx/Rx Checksum)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷




IDE接続HDDとIDE-RAID接続HDDの転送について

MB上のIDEに接続されたドライブ(IDE)と、PCIバスのIDE RAIDボード(Promise Fast Track 100)に接続された、 IC35L080×2台によるストライピング(RAID0)ボリュームで、GbE環境でのファイル転送を行いました。


GbEでのローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (LJ1000R-32)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態クロスケーブル直結
接続速度1000Mbps / Full Duplex
プロトコルTCP/IP
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。

グラフではDownloadでRAIDボリュームの方が速いという結果になっていますが、これはIDE接続のHDに転送したときに、 いわゆる「息継ぎ」という現象が発生したことに起因しています(CPU負荷は近日アップします)。
息継ぎがなければIDE接続のHDへ転送した方が速いということになります。
UploadではETG-PCIと同様に、普通のIDE接続の方が速いという結果になりました。

FastTrack100かPCIバスのどちらかがボトルネックになっている可能性が高いです。




総合評価

今回は100Base-TX環境下で「RTLシリーズ対決」をしたかったので、このLJ1000R-32と、RTL8139D搭載NICの代表として corega製“FEther PCI-TXC+”を使用しました。
これに基準用として”Pro/100 S”を交えた3枚のNICでベンチマークを行ったところ、LJ1000R-32のUpload速度が 他の2つの100Base-TX LANカードと比べて2倍近く出るという、興味深い結果となりました。
この要因がどこにあるのかは見当が付かない状態ですが、今のところ再現性はとれています。
CPU負荷の高さは相変わらずで、速度に対する負荷はRTL8139シリーズとほとんど変わりありません。
気になる点として、1000Base-TX環境でPC間ファイルを転送中、急にネットワークを認識しなくなってしまったり、ファイル転送が途切れてしまうことがありました。このRTL8169チップも同8139xシリーズと同じような評価と運命が待っているでしょうか。 Realtek提供のドライバVersionがまだ1.0なので、ドライバの改良でバグフィックスされることを祈るばかりです。

価格が\3500程度と低価格なので、ライトな100Base環境下での速度アップを目指していたり、安価で安易に1000Base-TX環境 を導入したいというのであればお勧めできるLANカードです。
ヘビーな使い方を考えている方にはとてもお勧めできない不安定っぷりですので、もっと信用できるNIC(Intelや3com、もしくはNS製チッ プ搭載NIC)をお勧めします。