NIC MANIA > LANカードレビュー > LGY-PCI32-GT |
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5MBファイルをFTP転送した場合の転送速度を計測すると、「I社」と比較して149%の性能があるというグラフを載せているメルコ製GbE NIC。 5MB程度のファイル転送で性能の比較するのは安易すぎるのではと思ってしまうのですが、私はド素人なので詳しいことは分かりません。 きっとメルコさんのデータは正確なのでしょう。 基板のレイアウトはcorega製のGEther PCI-T32と酷似していますが、同一ではありません。 このNICの方が先発であることや基板のリビジョンと思われる番号から考えると、古いデザインなのかもしれません。 カタログによると、最大消費電力は4.9W。供給電圧は5V / 3.3Vです。 注意しなければならないのが、初期に生産されたものにはLowProfileブラケットが付属していないということです(Tomonekoさん、情報ありがとうございました)。 省スペースPCに組み込む場合等はブラケットの付属をよく確かめてから購入しましょう。 GEther PCI-T32の不具合情報として、 ・P2P交換ソフトで通信が途切れる ・パケット送受信のデータがおかしい ・GbE接続下で通信中、発熱により(?)NICが落ちる ・GbE接続下でOutlook Expressの送受信ができなくなる 等の燦々たる不具合報告を見かけます。 また、2台のPCをクロスケーブルで直結すると、転送速度が速くなるという情報もありますが、未確認です。
GEther PCI-T32の初期ドライバの設定画面を corega製“GEther PCI-T32”と比べると、VLAN及びWakeUpに関する設定がありません。 ドライバの問題なのか、物理的にこの機能を提供できないのか分かりませんが、少なくとも現時点ではLOMに対応していない可能性があります。
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・コントローラーチップ ALTIMA(Broadcom)製“ AC1002” ワンチップ型ですが、他のGbEコントローラーチップに比べるとサイズが大きめです。 32bit PCIまでの対応で、48KBのPacket Bufferを内蔵し、PCI2.2に準拠しています。 また、消費電力は3W以下という記述がありますが、100Base-TX対応NIC一枚の消費電力が1Wを切る中で3Wという値は、まだまだ低いとは言えません。 GbE通信時の発熱量は半端ではなく、うっかり触ると確実に火傷を負います。 |
・ブラケット部 ステータス確認用のLEDは4個。 「ACT」,「10M」,「100M」,「1000M」 |
・トランスフォーマー DELTA製“LF9203” |
フレッツスクエアでの速度測定
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corega製のGEther PCI-T32と比較すると、Upload時のCPU負荷が低いという結果になりました。 速度的には微妙にこちらのほうが遅いようですが、同チップでほぼ同一デザインのNICで速度に差が出るというのは考えにくいものがあります。 もしかするとドライバの出来が奇跡的に良かったのかもしれません。 100Base-TX環境下のTCP/IP通信時におけるDownload負荷でもGEther PCI-T32を下回っており、さらには Pro/100 Sをも下回る勢いです。 発熱量については相変わらずで、とにかく熱いの一言に尽きます。私自身、測定終了直後にNICを外そうと基板の裏面に触れてあやうく 火傷しかけました。70℃以上で卵の白身が固くなるということなので、この基板上で目玉焼きは作れそうです。 ただし、あちこちで聞かれるような、「高負荷時にNICがDownする」というトラブルは発生しませんでした。 このトラブルはコントローラーチップにヒートシンクを付けると安定するという情報もありますので、同様の症状でお悩みの方は PCの排熱を見直すことで解消できる可能性があります。 |