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Intel PRO/100+ Pro/100+ Management Adapter (i82559)レビュー


2003.05.29 (最終更新:2003.09.23)
  関連項目:BOOT ROMの無効化

  関連項目:PROSetII 6.4の設定について


LANカード「Intel Pro/100+ Management Adapter」全景
メーカー Intel
製品名 Pro/100+ Management Adapter
購入価格 \2000(2003年6月:動確済みジャンク)
採用チップ Intel:82559
WOL端子
WOLケーブル付属
AUTO-MDIX ×
LowProfile対応 △(別売りブラケットで対応可)
対応OS Windows95〜XP
Linux
各種ネットワークOS


Intel製"i82559"を搭載したLANカード。
i82559の集積度が高まったことにより、従来の8255xシリーズに比べるとチップ・基板共に非常にコンパクトになりました。
何よりも大きいのが製造プロセスの微細化による低消費電力化と発熱量の減少です。このカードの消費電力は、カタログによると 0.67Wしかありません(+5VDC)。

ジャンクとして流通している量は非常に少ないと思われます。それ故価格もジャンクにしては 高すぎるくらいに設定されてます。

i82559搭載NICには3種類あり、それぞれの名前は以下のようになります。
Pro/100+ Adapter(WOL無し)
Pro/100+ Management Adapter(WOL付き)
Pro/100+ Server Adapter

今回入手したものは、WOL端子の付いている『Pro/100+ Management Adapter』になります。
また、上記3種のNICは玄人志向より発売されているブラケット(販売終了)、または AINEX製“PA-010LAN”に取り替えることでLow Profileにも対応します(かっちぇさん、情報&取り付け確認ありがとうございました)。


Intelサイトの内関連リンク
Pro/100+ Management Adapter 紹介
Pro/100+ カタログ
設定ソフトPROSetII及びDriver



ネットワークコントローラーチップ
・コントローラーチップ

Intel製“i82559
82557/82558/82558Bと比べるとサイズが1/4程度に縮小された、"BGA 15mm2"パッケージになりました。
それに伴い省電力化が進み、従来の8255xシリーズに比べ、約80%も消費電力が押さえられているとのことです。当然、これはチップの発熱にも 影響してきます。このチップの発熱量は非常に小さく、高負荷時でも温かい程度にしか熱を持ちません。
もちろんPHY内蔵のワンチップ型で、送信・受信用にそれぞれ3 KbyteずつのFIFO Bufferを内蔵しています(Pro/100S は9kbyteずつ)。
PCI2.2にも対応しているのでLOMによるWake Upが可能です。

これの組み込み機器向け版が"82559ER"で、さらに小型化、低消費電力化(0.41W@+3.3VDC)されています。高温環境向けのバージョンもあるようです。

ブラケット部 ・ブラケット部

ステータス確認用のLEDは2個。
「ACT/LINK」,「100TX」

Boot ROM ・Boot ROM

ATMEL製 "AT49BV512"。
64K×8 = 512KbitのFlash ROMで、2.7V,70nsものです。

WOL端子 ・WOL端子

あまり見ないソケットなので、バルクで購入した場合はケーブルの自作が必要になりそうです。
PCI2.2に対応していればLOMによるWakeUPが可能です。

トランスフォーマー ・トランスフォーマー

Pulse製“H1138”(PDF形式)



相変わらずですが、デフォルトではアダプティブ テクノロジが有効になっています。
これを『オフ』に。
アダプティブ パフォーマンス チューニングを『アダプタの帯域側』にすることで、 より良好なパフォーマンスを得ることができます。



フレッツスクエアでの速度測定


フレッツスクエアでの速度測定
測定環境
PCメインPC
接続形態ONU直結
MTU1454
RWIN260176
PPPoEフレッツ接続ツール1.5E
※対象NICで5回測定した直後にPro/100 Sで
5回測定を行い、それぞれの平均値をグラフに示した。




エクスプロラーでのローカル⇔リモート間ファイル転送測定方法はこちら


ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCメインPC
(Pro/100+)
リモートPCセカンドPC
(Pro/100 S)
接続形態Hub経由
接続速度100Mbps / Full Duplex
接続プロトコルTCP/IP
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
・CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(PROSetII:8.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

Pro/100+
TCP/IP
(PROSetII:8.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷

※NIC名下の括弧内はドライバのバージョンを示しています。



データ転送時間とチップ表面温度(℃)
チップ表面温度
測定環境
ケース内温度
(測定開始時)
27.8℃
ケース内温度
(測定終了時)
27.8℃
室温25.3℃
接続速度100Mbps / Full Duplex
転送プロトコルTCP/IP
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。


総合評価

スペックでPro/100 Sと比較するとFIFO Buffer量に違いがありますが、実質的な速度・負荷の性能差 は誤差範囲程度しか認められませんでした。
8255x搭載NICよりも圧倒的に発熱が低く、さらにはLow Profileに対応可能ということを考えると、環境によってはPro/100 Sよりも 利用価値が高いかもしれません。