NIC MANIA > LANカードレビュー > Pro/100 S Desktop Adapter |
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少し前までは高級NICでしたが、最近ではバルク品が大量に流出しているため、一気に安くなりました。
特に土日の秋葉原では\4000を切る値段で販売されています。 AINEXから発売されている“PA-010LAN”に交換することで、 Low Profile化も可能です。 この製品の型番の最後についている「S」ですが、これは「Security」のSを示しています。IPセキュリティをNIC上のチップが行うため、 この機能をオンにした場合はCPU負荷が非搭載のNICに比べて圧倒的に減少します。 Pro/100 Sには前期と後期の2バージョンがあり、前期のものはi82559チップ+IPSecチップで、後期のものはi82550となります。 つまり、i82550ではIPSec機能がコントローラーチップに内蔵されています(写真は後期バージョン)。 Intelチップが搭載されたLANカードのほとんどは、Intelから提供されている 『PROSetII』 というソフトで詳細な設定を行うことができます。 2003/04/09現在の最新バージョンは8.0で、ソフト自体は微妙に日本語化されています(ダウンロードページは英語)。 8.0はまだ出始めのドライバですので、安定志向の方はこのドライバの評価が出るまで「PROSetII6.4」を使用することをお勧めします (PROSetII6.4もダウンロードページは英語ですが、本体はMulti Languageなので日本語にも対応しています。ただし、Win98,Meでは英語版のみの可能性があります)。 Pro/100 Sの詳細なデータシートはこちら。 PROSetII 8.0からは他社のNICを認識するようになったようです。 消費電力は1.25W(+5VDC)。 |
・コントローラーチップ Intel製”i82550” 82559と同様のBGAパッケージ・ワンチップ型で、送信・受信用にそれぞれ9 KbyteずつのFIFO Bufferを内蔵しています(Pro/100+ は3kbyteずつ)。 3com製チップと同様に、データ通信時におけるCPUへの負荷の低さが売りで、これが低価格LANコントローラーと決定的に違う点です。 実際、100Mbpsを謳う低価格NICでは、特にUpload面のCPU負荷でIntel製チップには到底及びません。 IPSec機能も内蔵していますが、個人利用の範囲ではあまり価値がないと思われます。 |
・ブラケット部 ステータス確認用のLEDは2個。 「ACT/LINK」,「100TX」 |
・Boot ROM Intel系以外のチップセットで自作をしたことのある方なら大抵はお目にかかったことがあるのではないかというくらい有名なチップ、 "SST(Silicon Storage Technology, Inc.)製 "39VF512"。 64K×8 = 512KbitのFlash ROMで、2.7V,70nsものです。 |
・WOL端子 あまり見ないソケットですが、バルクでもWOLケーブルは添付されているので問題ないでしょう。 PCI2.2に対応していればLOMによるWakeUPが可能です。 |
・トランスフォーマー Pulse製”H1138”(PDF形式) |
このPro/100 Sでは、デフォルト設定で
IPSec(Internet Protocol Security)がONになっています。
Intelからドライバと共に提供されているツール「PROSetII (バージョン8.0)」の設定画面で (IPセキュリティのオフロード)を(オフ) に設定すると、かなりの速度の向上が期待できます。 |
IPSecの設定 |
エクスプロラーでのローカル⇔リモート間ファイル転送(測定方法はこちら)
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確認のためにIPSecをONにした状態とOFFにした状態での転送速度を比較したところ、明らかな差異が見られました。 ハードウェア(i82550)によるIPSecはソフトウェアのものよりCPU負荷が圧倒的に低いですが、速度の面ではIPSecは不利にはたらきます。 パフォーマンスを追及するならIPSecはOFFにするべきです。 |
さらにアダプティブ テクノロジを「オフ」に、 |
アダプティブ テクノロジの設定 |
アダプティブ パフォーマンス チューニングを「アダプタの帯域側」にすることで、より良好なパフォーマンスを得ることができました。 |
アダプティブ パフォーマンス チューニングの設定 |
今までネットワークコンピューター間の接続プロトコルには、比較的重くないプロトコルということでNETBEUIを使っていました。 しかしながらTCP/IP接続の方が速度が出るという話をよく聞きますので、この2種のプロトコルでファイル共有を行い、転送を行ったときの速度とCPU負荷を測定しました。 エクスプロラーでのローカル⇔リモート間ファイル転送(測定方法はこちら)
CPU負荷の面では、高速なぶんNETBEUIよりもTCP/IP接続の方が高負荷になっているようです。 |
データ転送時間とチップ表面温度(℃)
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