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玄人志向 GbE-PCI2レビュー


2005. 9.20(最終更新 2005. 9.24)

LANカード「GbE-PCI2」全景
メーカー 玄人志向
製品名 GbE-PCI2
購入価格 \970(2005年9月:新品)
採用チップ VIA:VT6122
Jumbo Frame ○(最大9,000bytes)
WOL端子 ×
WOLケーブル付属 ×
AUTO-MDIX
LowProfile対応 ○(専用ブラケット付属)
対応OS Windows98SE以降
DOSODI,Linux,UNIX,FreeBSD


低負荷・低発熱かつ格安のGbE NICとして話題になったものの、生産終了となってしまった玄人志向製【GbE-PCI玄人志向サイトNICMANIAレビュー)】の後継機種。
嬉しいことにさらに低価格化され、2005年9月時点での販売価格は\1000前後です。

ネットワークコントローラーはGbE-PCIと同じく、VIA Technologies製“ VT6122”を搭載しているため、前作と同程度の性能(速度・発熱)が期待できそうです。

玄人志向サイトの情報によると、製造元はHitpointとのことですが、同型の製品は見つけることが出来ませんでした。

同梱品は両面印刷3つ折りのマニュアル(英語)1枚と、ドライバCD、LowProfile用のブラケットで、どれもシンプルな造りです。
ドライバCD内にはVT6122のデータシートもありました。

なお、GbE-PCI2デフォルトの設定ではJumbo Frameが無効になっています。


付属品
付属品
詳細2
デフォルトのJumbo Frame設定
関連リンク
GbE-PCIレビュー(NIC MANIA)




・コントローラーチップ

ネットワークコントローラーチップ 前作のGbE-PCIと同じく、VIA Technologies製“ VT6122”が搭載されています。

14x14mm 128ピンのLQFPパッケージで、0.15umプロセスで製造されています。
ワンチップ型で、32-bit PCIに対応。VLAN,WOL等、基本的な機能は他のGbEと同様で、ジャンボフレームは16kbyteまでサポートしているようです。
Buffer Memoryとして、送信用に16Kbytes,受信用に48Kbytesを内蔵しています。
低消費電力化に力を入れているVIAだけあり、低発熱なのが特徴です。

VIA提供のVT6122ドライバはこちら



・ブラケット部

ブラケット部 ステータス確認用のLEDは2個。
ブラケットに印字はありませんが、マニュアルによると「ACT/LINK」,「Speed」のようです。
[Speed LED]は10Mbpsおよび100Mbps接続時では消灯状態で、1000Base-T接続時に点灯(赤)します。



・トランスフォーマー

トランスフォーマー Bothhand製“16PTH027(pdf形式)”が2個搭載されています。



100Base-TX環境下でのファイル転送について測定方法はこちら

ローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (GbE2-PCI / GbE-PCI)
リモートPC2nd PC (Pro/100 S)
接続形態Hub経由
プロトコルTCP/IP
接続速度100Mbps / Full Duplex
MTU / RWIN1500 / 268640
転送ファイル容量300MB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/100 S
TCP/IP
(Intel:8.0.57.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
GbE-PCI2
TCP/IP
(VIA:1.34.0.92)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
GbE-PCI
TCP/IP
(VIA:1.34.0.92)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷




GbE環境下でのファイル転送について測定方法はこちら

GbEでのローカル-リモート間ファイル転送速度
測定環境
ローカルPCMain PC (GbE2-PCI / GbE-PCI)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態HUB経由
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
MTU / RWIN1500 / 268640
9000 / 1648640
転送ファイル容量1.0GB
※ダミーファイルをエクスプローラーにて転送し、5回の平均転送時間を元に転送速度を求めた。測定にはストップウォッチを使用した。
CPU負荷
Remote → Local (Download) Local → Remote (Upload)
Pro/1000 MT
MTU=1500
(Intel:8.0.57.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
Pro/1000 MT
MTU=9000
(Intel:8.0.57.0)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
GbE-PCI2
MTU=1500
(VIA:1.34.0.92)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
GbE-PCI
MTU=9000
(VIA:1.34.0.92)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
GbE-PCI
MTU=1500
(VIA:1.34.0.92)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷
GbE-PCI
MTU=9000
(VIA:1.34.0.92)
Download時CPU負荷

Upload時CPU負荷




Netperfでの測定結果測定方法はこちら

Netperf測定結果グラフ
測定環境
ローカルPCMain PC (GbE2-PCI / GbE-PCI)
リモートPC2nd PC (Pro/1000 MT)
接続形態HUB経由
プロトコルTCP/IP
接続速度1000Mbps / Full Duplex
MTU / RWIN1500 / 268640
9000 / 1648640
※測定PCそれぞれでnetserver.exeを起動し、測定を行った。測定は「netperf -H」コマンドによる。




データ転送時間とチップ表面温度(℃)

チップ表面温度
測定環境
100Base-TX1000Base-T
ケース内温度
(測定開始時)
32.4℃30.7℃
ケース内温度
(測定終了時)
32.4℃30.8℃
室温27.4℃28.3℃
※温度変化が30秒以上観察されなくなるまでダミーファイルを連続的に転送した。


総合評価

測定の結果、ファイル転送やNetperfでの測定値がPro/1000 MTに比べて低い等、性能は前作(GbE-PCI)と変わりませんでした。VI6122コントローラーチップの発熱の低さも相変わらずです。
Pro/1000 MTに比べて遅いとはいえ、少なくともGbE NICとしての性能は十分に発揮しています。蟹チップ(RTL8169シリーズ)の発熱や負荷から考えれば、害はなさそうという意味で安心して使えます。
ジャンボフレームを有効にしたとき、ファイル転送では何故かローカル→リモート(Upload)の転送速度が落ちてしまいましたが、 これは前回GbE-PCIを測定したときとは違うPCを使用したので、環境的な問題があったためと思われます。

このNICで唯一残念なのが、コストダウンの結果か、造りが粗っぽいことです。
同社製NIC『9102A-PCI』のように、PCIスロットに差し込む“切り欠き部分”の加工が甘く、スロットにうまく挿さらず苦労しました。


一般的には有線のGbE環境よりも無線LANへの移行を考える傾向にある時代ではありますが、ギガビット対応のNASが相次いで 発売されていることを考えると、ギガビット環境はまだまだこれからという印象があります。
つい先日まで、リーズナブルな価格で入手可能な大手メーカーのGbE NICのほとんどがRTL8169を搭載した灼熱蟹NICでした。
GbE環境を構築する際、我々は安い灼熱高負荷NICを買うか、倍以上の金額を払ってIntel製Pro/1000 MTを購入するしか選択肢がありませんでした。
そんな中、実売価格で\1,000を切る非RealTekチップ搭載GbE NICが発売されたことは、非常に意味のあることだと思います。

蟹チップ搭載NICよりもコストパフォーマンスに優れているばかりか、低負荷・低発熱で、Low Profileにも対応しているとなれば、 「とりあえずギガビット環境を体験したい」という方にとって、買わない理由が見当たりません。
GbE環境が整っている方も、予備のGbE NICとして購入するのもアリだと思います。